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キャリアカウンセリングとキャリアコーチング

今日はキャリアカウンセリングとキャリアコーチングについて考えてみたいと思います。

まず、これらはキャリアをテーマにしたふたつのセッションの形になりますが、実は似て非なるものです。そもそも、カウンセリングとコーチングは共通する点もいくつかありますが、基本的に全く異なるアプローチです。

キャリアやコーチングという言葉については、それらを含むサービス名、職種、認定機関が複数あるうえに、実施する側のカウンセラーやコーチのセッション内容が多種多様です。さらにセッションを受けるクライアント側の状況もそれぞれ異なるため、キャリアやコーチングという言葉が多くの人に使われるうちに一人歩きしているようにも感じます。

例えばキャリアと付く職種でいえば、キャリアカウンセラーやキャリアアドバイザー、キャリアコンサルタント、キャリアコーチという名称はほぼ同義で使われている場合がありますが、実際は異なります。さらに、それらの職種は有資格者とそうでない方が自由に名乗っている事がありますので、ますます混同されやすく、一般の方には名称だけではその業務範囲が分かりにくいものになっています。

また、コーチという職種名もビジネス分野、スポーツ分野、その他プロ・アマチュア含め幅広い分野で使われており、多種多様なコーチングが存在しています。

では、例えばキャリア目標の実現にむけて大きな挑戦をしている方や、今の働き方や就職活動に困難を感じている方、その他自分のライフキャリアをどう描いていけばよいか漠然と不安を感じている方は、いったい誰に相談するべきでしょうか。

それは、キャリアカウンセラー、キャリアアドバイザー、又はキャリアコンサルタントで、なるべく心理学及びキャリアの専門知識をもった有資格者であり、職業紹介を前提とはしない中立な立場の専門家がクライアントに適した最初の相談役になります。一方で、クライアントのキャリアの方向性が定まっており、短期的に具体的な求人案件を獲得したい場合には職業紹介のエージェントに相談することは一定の効果があると考えます。

また、キャリア分野とコーチングの両方に精通したプロフェッショナルコーチ(有資格者)も上記のようなクライアント目標に沿った実践的な支援が可能です。ちなみに私が明記しているキャリアコーチングという名称も、キャリアをテーマにしたセッションを実施できるプロコーチという意味で使用しています。コーチングでは幅広くビジネス分野に対応できるコーチや専門分野に特化したコーチ、経営マネジメントに強いエグゼクティブコーチなどキャリア以外の専門領域があれば、クライアントの目標達成まで長期的に伴走することができるので多様なニーズに対応することができます。

最後に、キャリアの相談先として適切な相手を探す場合などは、あらためてクライアント自身のニーズを明確にし、相手が提供するサービスをしっかりと把握してからセッションを受けることが最善だと考えます。

キャリアカウンセリング、コーチングの専門領域については、ケース分析など別の機会にも取りあげて考えていきたいと思います。コーチングキャリア株式会社 代表取締役 志方和美