コーチングやキャリアカウンセリングの時間だけでなく、プライベートでも人と話す機会が多くあります。昨日はセカンドキャリアを満喫していらっしゃる70代の知人とお話をしました。私としてはたいへん良い気づきがありましたので、その方の了承を得て共有させていただきます。
Mさん(72歳女性)は定年退職後、セカンドキャリアとして地域活動といくつかの趣味を長年続けられ、日々たいへん充実した生活を送っていらっしゃるようです。しかしながらMさんにはひとつ困ったことがあり、それは友人達に会うといつも身体の不調に関する話題ばかりを聞かされていると感じ、そちらに全く共感できず気疲れしてしまう…というものでした。Mさん曰く、加齢によって誰しも不調は出てくるが、どんな小さなことでも目標を持って生活していればもっと毎日を楽しめるだろうに、ということでした。例えばプランターに小さな球根をひとつ植えてみるだけでも、植物の成長や開花を目標にすることができ、達成感を得ることができると。そうして充実感を得ていれば、それほど身体の不調にばかり意識が向かないのではないか、ということでした。体調は人それぞれ異なるものなので、Mさんの意見が他の方に当てはまるということではありませんが、一つの考え方として興味深いと思いました。
Mさんはこれまでコーチングを経験されたことも、コーチングという言葉を聞いたことも無いようですが、これまでの人生経験のなかで自然とセルフコーチングができてきた方なのだと思います。充実した毎日を過ごすために自ら目標を設定し、その実現のために調査したり最善策を探すといったことが功を奏し、また新たな目標を持つという正のスパイラルができているのだと思いました。結果としてMさんはお困りごとがあったとしても普段から幸福感を感じているようにお見受けします。
セカンドキャリアは、定年退職後だけでなく妊娠出産後、病後の社会復帰など、キャリアを再構築する時期ということです。もし、こうしたキャリアの転換期に自己肯定感が低くなっていたり、将来像が描きにくいといった状況があれば一度セルフコーチングを試みるのは良いことと思います。それでも状況が好転しない場合には専門コーチによるコーチングや、キャリアカウンセリングを取り入れてみるのも有効な方法だと考えます。コーチングキャリア株式会社 代表取締役 志方和美